競売93 

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保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる。もっとも、保全異議の申立てがなされても保全執行は当然には停止しない。したがって、執行を停止するためには、債務者は、保全執行の停止等の裁判を求める必要がある。

民事保全は、債務者に知られると対抗手段がとられる可能性があるので、債務者に知られないことが重要である(密行性)。そこで、発令までは、債務者にしらせないのが原則である

債権者が、保全命令を取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても債務者の同意は必要ない。保全命令の申立を取り下げも、債務者に特段の不利益はないからである。

保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができる。これは、不当な民事保全による損害を担保するためのものであり、実務上は極く一部の例外を除いて立担保が要求されている。

 

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