任意売却契約に係る違約条項の取扱い
通常の不動産取引と同様、任意売却取引であっても違約条項は定める必要があります。しかし、多くの任意売却取引では、売主には違約金を支払う能力がありません。この場合、特約事項として、その旨を明記することが望ましいと考えられます。また、どうしても明記が出来ないという場合でも、買主にはその旨を別紙により説明をすることでトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
残置物についての取り決め
取引不動産内に残置されている動産は売主が所有しているものであり、その処分は当然に売主の責任となります。しかし、任意売却を取扱っている場合売主が残置物の処分を行えない場合があります。
例えば病気や怪我で身体的能力が十分でない場合や、ごみが大量にあり処分に相当の費用が掛かる場合等です。そのため、任意売却取引ではほとんどが、残置物の処分は買主負担とすることを買主に承諾してもらう必要があります。
また、買主が残置物の処分を承諾した場合、売主は残置物の所有権を放棄することを書面により通知する義務があります。この際、実印の押印と印鑑証明書の添付を行うことが望ましいでしょう。
競売での残置物処理
競売の場合でも、残置物の処分は原則売主が行う必要があります。しかし、多くの競売物件では売主は残置物の処分を拒否し買主がその処分を負担しています。前述の通り所有権の放棄をしていれば処分費用だけで良いのですが、所有権の放棄がされていない場合、民事執行法に則った処理が必要です。このような残置物(執行目的外動産)に関しては、適切な場所・方法により一定期間保管をすることが義務付けられています。決して勝手に処分(自力救済)しないようにしましょう。自力救済した場合、元所有者から多額の損害賠償請求される可能性がある。
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