抵当権の消滅請求
一般的不動産取引の場合、所有権移転時までに抵当権などの負担を消除することは売主の責任です。しかし、差押えと異なり抵当権は所有者の移転を妨げる権利では無いため、抵当権が付いたまま第3者に不動産の所有権移転を行うことは可能です。そのような取引を行った場合、新たな所有者を第3債務者として抵当権の消滅を債権者に対し請求することが出来ます。また、抵当権の消滅請求を行う際は、債権者から金額の要求がある可能性もあります。
消滅請求の行使
抵当権の消滅請求ができるのは、その不動産を取得した人、つまり買主です。しかし主たる債務者や連帯保証、相続人などが買主の場合は消滅請求手続きをすることを出来ません。
抵当権の消滅請求は、債権者に対して内容証明で行い、別に不動産登記簿謄本と査定書を送付します。不動産登記簿謄本には新たな所有者に所有権が移転してあることが確認できる必要があります。
抵当権消滅請求の内容
抵当権消滅請求は全債権者に以下の内容を明示して送付します。
不動産の表示(所在・地番)
不動産の取得原因(売買・贈与・交換等)
不動産の取得年月日
譲渡人、譲受人の氏名、住所(土地種別・建物種別・地目等)
不動産の性質
取引価格(取引金額)
抵当権者の対抗手段
抵当権者は消滅請求がされてか2か月以内に競売を申立てるか、競売の申立をしない場合は、消滅請求に明示されている価格を、債権の優先順位に従い債務者が債権者に弁済または供託することで、抵当権の消滅請求に応じなければなりません。
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